第23回研究会
1.心理学
- 1)心理学の定義
- 2)心理学の誕生
- (1)心理学独立以前
- a.哲学から派生 エルンスト・マッハ
- b.生理学から ヤング・ヘルムホルツ
- (2)アカデミズムとしての心理学 ヴィルヘルム・ヴント
- (1)心理学独立以前
- 3)フロイトとユングの心理学
2.簡単なインプロのワーク
- 1)ワンボイス:簡単なやりとりを数人で
- 2)ワンワード(変形型):ももたろうのお話を10数名で展開
3.スクリプト研究
ミルトン・エリクソンが実際に使用した次の二つのスクリプトを研究。
- 1)学ぶスピードを促進するスクリプト
- 2)試験を受けるときにパニックとならないよう、落ち着いて一問ずつ問題を解き、自信を持って会場を後にすることをねらいとするスクリプト
第21回研究会
1.内観療法
- 吉本伊信氏によって創始された「内観療法」について、次のような内容で理解を深めた。
- a.実体験に基づいた実際の療法の進め方などの解説
- b.自分自身を見つめ直すことの重要性の確認
- c.講演テープを聞き、心境の変化がどのようにもたらされたかということを知る
- d.他の療法や例えば「禅」との相違点などの議論
2.ニューロロジカル・レベル
- ロバート・ディルツによって開発されたNLP技法である 「ニューロロジカル・レベル」について次のような議論を行った。
- a.ニューロロジカル・レベルとは何か
- b.ニューロロジカル・レベルの上位レベルの変化が下位レベルに与える影響とその逆
- c.人を怒らせる方法、欠点を改善に導く方法、モチベーション向上などについて、このモデルに従っての実例解説
- d.人間の意識の階層構造をたどって、下位レベルから上位レベルに上って行くことと、上位レベルから下位レベルに下りて行くことによる意識の変容
3.スクリプト研究
- 「成功をリハーサルする」というスクリプトについて研究。
議場でスピーチを行うことを想定し、その様子を思い浮かべる。
原稿もしっかり準備してあるし、鏡の前で練習もした。
会場を見渡すと知人の顔も見える。
あなたは堂々たるスピーチを行い、その後の質問にもうまく答えている。
聴衆の熱狂的な喝采を聞き、この成功の経験をしばらく楽しもう。
第20回研究会
1.ダレン・ブラウン映像研究
- 前回に引き続き、ダレン・ブラウンの映像を見て、そこかしこに種々使用されている心理テクニック、誘導技法、NLP技法などを分析した。
- また、人が2つ以上のことを同時にされると混乱してしまうことを実演。(腕のカタレプシー)
2.スクリプト研究
池に浮かんだ葉っぱ
牧草地を流れる曲がりくねった小川
その一部の川幅の広いところが小さな美しい池となっている
池の水面には広大な青い空、流れゆく白い雲、美しい樹、
そして自分の顔も映りこんでいる
ときに一陣の風が巻き起こり、樹の葉っぱを池の水面に散らしていく
水面は葉っぱでおおわれることになるが、
その葉っぱの上に心配事や悩み事を載せて
川の流れに押し出させてしまうことができる
ぐるぐる回りながら流れゆく葉っぱが去ってしまうと、
そこにはまた美しい池が現れ、広大な青い空、流れゆく白い雲、美しい樹、
そして自分の顔が映りこんでいる
次回「内観療法」に関するスピーチを予定。
第19回研究会
1.ダレン・ブラウン映像研究
- イギリスのマジシャン、メンタリスト、ダレン・ブラウンの映像を見て、そこかしこに種々使用されている心理テクニック、誘導技法、NLP技法などを分析した。
- 1)地下鉄の乗客に降車予定の駅名を聞き、会話を行っているうちにそれを忘れさせる例
- 2)任意の時刻、1~10までの数字を述べさせるが、それに至る過程で言語または非言語によるサブリミナル誘導を行っている例
- 3)道を尋ねて会話をしているうちに、相手の時計や財布を受取る。そして、何気ない様子でその場を立ち去る例
次回、この続きを研究する。
2.自我強化のスクリプト研究
- 「べき」という言葉の明確化
- 「べき」という言葉には2つの感情が伴う。
- ひとつは、義務感。
- もうひとつは、腹だたしさ。
- 外から来る「べき」は多くの情報や違ったものの見方を与える。
- 内から来る「べき」は考える自分にとって何が適切かを教える。
- 外から来る「べき」と内から来る「べき」とを調和させることにより、こころがしっくりとして、心地よさを感じることができるようになる。
第18回研究会
自我強化のためのスクリプト研究
- Bridgeing Past and Future というスクリプトを題材とした。
- ちょっと自信を失っている人に向けてのメッセージである。
- 同スクリプトでは、
- ①なだらかな二つの丘の間の谷にかかる橋の上に立って
- ②これまでの険しかった道のりを振り返る
- ③そして、現在身の回りに起きていることを上方から見下ろす形で見直す
- ④さらに、これからの道のりを見る
- スクリプトで使用されている各々のイメージの意味(例えば、修復すべき人間関係)や 全体の構造を再確認した。
- クライアントは、たどってきた過去から多くのことを学んでいるのだから、 その助けによって、これから困難に出会おうともやっていける。
- そして、今直面している問題に対しても。
第16回研究会
1.アイ・アクセシング・キュー
- NLPにおける基本技術のひとつであるアイ・アクセシング・キューについて基礎を確認。
- また、この考え方に対する批判的な説を照会。
- これらの情報に基づいて、この技術の理論的基礎や実践的な使い方について議論した。
2.視覚情報を変化させることによる改善のアプローチ
- 嫌な人や記憶との接し方を改善するアプローチとして、視覚情報を変化させることによる方法について全員でワークを行った。
- ひとくちに視覚情報といっても、色、形、距離、動き、スピードなど様々な要素がある。
- そうした要素のひとつひとつを変化させることで、嫌な人と接している自分の感じ方がどう変化するかという体験を楽しんだ。
3.催眠とは何か
- 「催眠とは何か」という根源的な問題について検討した。
- 「催眠」という言葉に一般の人が抱いているイメージと誤解、「トランス」を必要とするか否か、脳波測定で証明されるのかといったことや、催眠の目的、睡眠とどこが違うかということなどを議論した。
- なお、一部議論をし残した部分があるため、次回も引き続きこの点についてテーマとすることにした。
第15回研究会
1.自己発見のためのスクリプト研究
- Mountain Metaphor というスクリプトを題材とした。同スクリプトにおいては、クライアントに、
- ①自分の位置の確認
- ②自分にとっての困難の克服
- ③新しい展望の開拓
- ④こころの安定・自信の獲得
- などのプロセスを 催眠下のイメージで体験するようガイドする。
- スクリプトで使用されているイメージの意味や全体の構造について確認しながら、 クライアントを力づけるための自己発見ということについて議論した。
2.エゴグラムと交流分析
- 交流分析で使用されるひとつのツールとして、エゴグラムを採り上げた。
- 基本的な説明の後、参加者全員で自身のエゴグラムを作成した。
- また、エゴグラムの読み方について代表的な例を学習し、 自分自身のエゴグラムとの比較により検討した。
- その他、交流分析の基本的な考え方や脚本分析などについて議論をするとともに、関連書籍を紹介した。
3.催眠導入技法のミニ・デモンストレーション
- 短時間ではあったが、いくつかの催眠導入技法について小さなデモンストレーションを行った。
- 理論だけでなく、実際に身体を動かして具体的にこうしたデモンストレーションを行うことで理解を深めるというすすめ方を 引き続き実施していきたい。
第14回研究会
1. 「揺らぎない精神」と武士道について
- 現代日本人は精神的支柱を失ってしまったかのようにも見える。
- 価値観が混沌とし、何かの出来事に右往左往している様子が毎日のように報道されている。
- 混迷の時代であればこそ、武士道の精神が見直されるべきではないか。
佐山さんに詳しくお話を伺った。
2.催眠の歴史について
- 古代から現代(ミルトン・エリクソン)に至る催眠の流れについて、資料及び英文テキストに従って概観した。
- 「催眠」についての呪術、魔術、オカルト的な捉え方と治療的な捉え方の違いや、「催眠」に対する誤解や偏見がどのように生じてきたかということを含めて議論した。
- 歴史認識の過程を通し、当学会としては、呪術、魔術、オカルト的な認識を排除し、EBM (Evidence Based Medicine: 根拠に基づいた治療)を推進すべきであると結論づけた。
3.インプロヴィゼーション
- 'YES & YEAH' という、インプロヴィゼーション(即興劇的ワーク)を実施。
- 相手の言うことをよく聴いたうえで、それを受容すること
- アイコンタクトをしっかりとして、声を合わせて’YEAH'ということに気をつけて、ゲームのように楽しみながらミニ・ワークを行った。
4.「目的地」を確認することの重要性についての議論
- カウンセリングやセラピーにおいて、クライアントの目的を確認することの重要性について議論した。
- また、何年後かの「幸せな自分の姿」をイメージし、それをクライアントとカウンセラーがともに確認していくというデモンストレーションを実施した。
第13回研究会
1.EMDRの研究
- 1989年 シャピロ博士によって発表された心理療法。
- PTSD(Post Traumatic Stress Disorder:外傷後ストレス障害)の治療に対して効果的と評価されている。
- コソボ紛争、阪神大震災などの惨事によるPTSDの治療などに用いられてきた。
- 今回の研究会では、EMDRについて単にその利点だけでなく、 クライアントがトラウマ・イメージを想起する際の危険性も指摘し、議論を行った。
- EMDRのトリートメントは8段階で行われるが、 その第4ステップで実施される脱感作のための眼球運動の方法論、 想起するイメージからクライアントの安全を確保することの重要性、 施術者自身が誘導やコントロールを行うことについての是非 などを議題とした。
2.心身症への催眠療法の適用について
- Symphony Metaphor というスクリプトを題材として、 人のこころと身体の結びつき、心身症的症状が出ているクライアントへの語りかけについて議論した。
- また、別の資料に基づいて、 催眠療法の適用例、 鼻炎、胃潰瘍、胃カメラ恐怖などの症例に対する対応の記録を読み、 催眠療法の効用、スクリプトの有効性などについて議論した。
- その際、スクリプトの発展形なども検討した。