Literature

JHPA_top4.png




催眠について書かれた小説 【日本】

1.森鴎外   魔睡 『文豪怪談傑作選 森鴎外集 鼠坂』森鴎外/東雅夫編(ちくま文庫)
2.夏目漱石  吾輩は猫である 岩波文庫
3.芥川龍之介 魔術  [オーディオブックCD] 芥川龍之介 01「魔術」 パンローリング
4.谷崎純一郎 魔術師 中公文庫
5.小酒井不木「闘争」 『日本探偵小説全集1』創元推理文庫
6.木々高太郎「睡り人形」 『日本探偵小説全集7』創元推理文庫
7.海野十三「十八時の音楽浴」 『海野十三全集4』三一書房
8.久生十蘭「ハムレット」 『日本探偵小説全集8』創元推理文庫
9.夢野久作 『ドグラ・マグラ』 『日本探偵小説全集4』創元推理文庫
10.小栗虫太郎「後光殺人事件」「黒死館殺人事件」  『日本探偵小説全集6』創元推理文庫
11.三島由起夫 「催眠術ばやり」不道徳教育講座 角川文庫
12.遠藤周作  ボクは好奇心のかたまり 新潮文庫
      ぐうたら生活入門 角川文庫
      真昼の悪魔 新潮文庫
  13.福永武彦  「眠りの誘惑」 加田伶太郎全集 扶桑社文庫
14.司馬遼太郎 果心居士の幻術 新潮文庫
15.戸川昌子  「裂けた眠り」 静かな哄笑 光文社文庫
      「夢魔」 講談社
16.森村誠一  「催眠術殺人事件」 「精神分析殺人事件」 角川文庫
17.色川武大『狂人日記』 『色川武大 阿佐田哲也全集3』福武書店
18.梶尾真治  おもいでエマノン (さかしまエングラム) 徳間デュアル文庫
19.宮部みゆき 魔術はささやく 新潮文庫
20.福本博文  そして、催眠セミナーへ イースト文庫
21.清水義範  催眠術師 福武文庫
22.松岡圭祐  催眠 小学館文庫 (このシリーズ多数)

gr_top.gif

催眠について書かれた小説 【海外】

アントン・チェーホフ

「催眠術の会」         ( チェーホフ全集〈1〉 (ちくま文庫)

  • ロシアの文豪、チェーホフの小品。パーティーで演じられる催眠術(ステージ催眠)と被験者に選ばれた男、周囲の反応などを描いている。催眠を説明するときに「社会的役割モデル」(ソーシャル・ロール・プレイング・モデル)という説があるが、それがあてはまる例だろう。「役割(ロール)の概念は、催眠のみならずあらゆる種類の社会的行動を記述するときに有効に用いられている」(サービン)

エドガー・アラン・ポオ

「催眠術の啓示」        ( ポオ小説全集 3 (創元推理文庫)
「ヴァルドマアル氏の病症の真相」 ( ポオ小説全集 4(創元推理文庫)

  • ミステリ、怪奇・幻想小説を代表する作者の催眠に関する作品を2つ。いずれも死にゆく者に対する催眠というテーマである。「催眠術の啓示」においては、人間が他の人間に感応を与えてある状態にいれることができると述べ、物語をはじめる。「ヴァルドマアル氏の病症の真相」は、死の進行を催眠で止められるかという実験的な物語。怪奇・幻想を持ち味とする作者の趣味がよくあらわれた作品。

コナン・ドイル

「寄生体」  (『北極星号の船長』 創元推理文庫)

  • 1894年に発表した中編。日記体で書かれている。唯物論者が催眠を体験する。その体験を対象として研究を続けるが…
  •   コナン・ドイルも怪奇・幻想の趣味が持ち味。シャーロック・ホームズはロジカル・シンキングの実践者かもしれないが、その作者の方は「妖精写真」にコロッとだまされてしまうという面も持っていた。

オー・ヘンリー

「にせ医師物語」「最後の一葉」 (『O・ヘンリ短編集3』 新潮文庫)

  • 短編小説の名手の作品。「にせ医師物語」では、インチキ薬売りが、最新の精神療法だといって、市長に催眠術をかける。このあたりの記述は、最近でも種々のインチキ療法があちこちのサイトで宣伝されている様子とよく似ている。(権威づけなど)「最後の一葉」の方は有名な作品だが、ツタの葉を見て「あの最後の一葉が落ちたら、私も死んでしまう」と思い込んでいる女性画家とその周りの人々を描いている。暗示の力を使うのならば、こちらの使い方の方がずっと良い。相手のリソースを利用するとはこういうことなのだろう。

サキ

「開いた窓」 (『ザ・ベスト・オブ・サキ』 サンリオSF文庫 『サキ傑作集』 新潮文庫)

  • サキもまた、短編の名手。ブラックユーモアという毒も効いている。「開いた窓」は代表的な作品だが、神経衰弱の男に少女がある話をする。その話を聞いた男は、とても恐ろしい体験をすることになる。この作品では、人の話が他人に与える影響力ということを考えさせられる。そういえば似たような心理学実験もある。何かに先行して語られた言葉が、他人のものごとの見方を規定するような傾向を実験したもので、トランスを用いない催眠というのはきっとこうした感じなのだろう。

ジョン・ダニング

「封印された数字」 (ハヤカワ文庫)

  • ある写真をみたことをきっかけに、主人公は20年ほど前に体験した催眠実験のことを思い出す。そして、写真に写った場所をめざす。主人公に影のようにつきまとう車。過去のフラッシュバック。潜在意識や催眠のことについての記述もある。作者は「死の蔵書」「幻の特装本」など、古書ミステリで有名だが、このサスペンス小説は彼の第一作にあたる。

ディーン・クーンツ

「ストレンジャーズ」 (文春文庫)

  • クーンツは超一流のエンターテイメント作家。
  • この小説は、清水義範の「催眠術師」という作品の中でも言及されている。夢遊病に悩まされる作家、医者、退役軍人、牧師。なぜかわからないが得体の知れない恐怖におびえる人々。その人々に共通していたある体験とは?


gr_top.gif